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欧米で似た症状の子どもが増加、新型コロナとの関連も疑われる「川崎病」とは?

欧米で似た症状の子どもが増加、新型コロナとの関連も疑われる「川崎病」とは?

米国の小児新型コロナ患者には、川崎病に似た症状による死亡も。日本では症例なし

先月(2020年4月)より、欧米各国で「川崎病」に似た症状を発症する子どもの事例が報告され、その事例の多くで新型コロナウイルス感染症との関連が指摘されています。特に米国ニューヨーク州では5月13日現在、新型コロナウイルス感染が確認され川崎病のような症状が出た子どもが100人に達しており、そのうち3名が死亡したと発表されています。これまで、新型コロナウイルス感染症では、子どもは重症化しにくいと考えられていたため、川崎病に似た症状との関連について調査が進められています。

わが国では、日本川崎病学会が今月、18都道府県の32施設を対象に、新型コロナウイルス感染症が流行してからの川崎病の状況などについて、メール調査を行っています。その結果、今年2~4月において、例年と比較して川崎病の発生状況が増加したという傾向はなく、小児の新型コロナウイルス患者に川崎病に似た重症例は出ていませんでした。また、川崎病患者に新型コロナウイルスとの合併例もなかったと報告されています(日本川崎病学会「日本川崎病学会声明:川崎病とCOVID-19に関する報道について」)。

原因は不明。症状は高熱、両目の充血、いちご舌、赤い発疹、手足の腫れなど

川崎病は、全身の血管に炎症が起こる原因不明の病気で、0~4歳の子どもが多く発症します。川崎富作博士が1967年にこの病気を見つけたことから、「川崎病」と呼ばれています。

日本川崎病研究センターが2年に1回実施している「川崎病全国調査」によると、1995年ごろより患者数が増加傾向にあり、平均で年間1万5千人ほど発症しています。2018年には1万7千人を超えて過去最高となり、2018年末までの患者数は約40万人にものぼっています。

川崎病の主な症状は「発熱」「両目の結膜の充血」「唇や口腔粘膜が赤く腫れる、いちご舌(舌が赤く腫れ、いちごのようにブツブツが目立つ)」、「発疹(ほっしん)ができる」「手足が硬く腫れたり、指先や手のひらに紅斑(こうはん)ができる、指先の皮膚が膜状にむける」「首のリンパ節が腫れて痛む」の6つです。このうち5つ以上、あるいは4つに加えて冠動脈(心臓の筋肉へ酸素や栄養を運ぶ血管)に病変がみられた場合などに、川崎病と診断されます。

発症から約10日目までを「急性期」といい、この時期に多くの症状が現れます。川崎病には根本的な治療法がまだありませんが、急性期に現れる全身の炎症をできるだけ早く抑える治療により、冠動脈にこぶ(冠動脈瘤)ができるのを防ぐことが重要となります。

川崎病のような症状に気づいたら、早めにかかりつけの小児科を受診しましょう。特に、子どもがぐったりしている、意識がない、川崎病のような症状に加えて嘔吐や腹痛・下痢があるなどの場合は、迅速な受診が必要です。土日・夜間などで受診するかどうか迷ったときは、「子ども医療電話相談事業 #8000」や「全国版救急受診アプリ(愛称「Q助」)」などの利用も検討しましょう。