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新型コロナウイルス除去に有効な正しい手洗いと、適切な消毒方法は?

新型コロナウイルス除去に有効な正しい手洗いと、適切な消毒方法は?

石けんやハンドソープを使った2度の手洗いで、約100万個のウイルスが数個にも

2020年6月17日現在、まだ世界的に流行中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。この新型コロナウイルスを除去するには、こまめな手洗いが重要であることが周知されていますが、不適切なやり方では効果が下がってしまいます。正しい手洗いの習慣が身についているかどうか、もう一度確認してみましょう。

食中毒を引き起こすノロウイルスと同じ種類のウイルスを使って、手洗いによるウイルス除去効果を検討した調査があります。その結果、「手洗いなし」で約100万個あったウイルスは、「流水で15秒手洗い」しただけでは約10,000個残存しました(約1%)。しかし、「石けんやハンドソープで10秒もみ洗いした後、流水で15秒そそぐ」手洗いを行ったところ、約百個(約0.01%)まで減少。さらに、同様の手洗いを2度繰り返すと、わずか数個(約0.0001%)にまで減少していました。 しっかりとウイルスを除去するには、時間をかけ、石けんを使って丁寧に手洗いをすることが勧められます。

*森功次他:感染症学雑誌、80:496-500,2006
http://journal.kansensho.or.jp/Disp?pdf=0800050496.pdf

アルコール消毒剤が入手できなくても大丈夫。熱水や塩素系漂白剤で消毒しよう

ウイルスには、大きく分けて「エンベロープ」という脂質の膜があるエンベロープウイルスと、膜がないノンエンベロープウイルスがあります。エンベロープウイルスは、特にアルカリ性の石けんやアルコール消毒剤によって不活性化しやすく、新型を含むコロナウイルスやインフルエンザウイルスはこれに当てはまります。

厚生労働省では、前述のように手洗いをきちんと行えば、さらにアルコール消毒剤を使用しなくても新型コロナウイルス対策ができるとしています。また、食器や手すり、ドアノブなど、身近なものの消毒には、熱水による消毒、塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)による消毒が有効です。

それらは新型コロナウイルスだけでなく、ノンエンベロープウイルスであるノロウイルス、アデノウイルスやコクサッキーウイルス(子どもに多い夏かぜを引き起こすウイルス)にも有効であるため、覚えておきましょう。

  • 熱水消毒:食器や箸、衣類などを80度の熱水に10分間さらす。
  • 塩素性漂白剤による消毒:「ハイター」「ブリーチ」などの名称で売られているものを用い、製品記載の作り方をよく読んで「濃度0.05%」に薄めて拭く。
 

ただし、塩素性漂白剤は目や肌への影響があり、取り扱いには注意が必要です。必ず換気し、家事用手袋を着用して使いましょう。

「次亜塩素酸水」の効果は検証中。消毒剤噴霧はWHOなどでは推奨されていない

手指・家具等の消毒や、空間噴霧による除菌・消毒に有効とうたった製品に、「次亜塩素酸水」(食塩水などを電気分解して作る、次亜塩素酸を主成分とする酸性の溶液)があります。次亜塩素酸水は、新型コロナウイルス感染症流行以来、家庭や各種施設等で幅広く使われているようです。

しかし、経済産業省では、今年6月9日付のファクトシートにて、次亜塩素酸水の新型コロナウイルスに対する効果は検証試験継続中であることや、WHO(世界保健機関)やCDC(米国疾病予防管理センター)などが「消毒剤を人体に噴霧することは、いかなる状況であっても推奨されない」「一般感染管理には推奨されない」といった見解を示していることを表明しています。

また、次亜塩素酸水と称される製品には、濃度や製法の異なるさまざまな製品があることや、名称が似ていることから誤って次亜塩素酸ナトリウム(塩素性漂白剤)を薄めたものを手指消毒や噴霧に使ってしまう例もあり有害なことから、現在、国では推奨されていません。

まずはしっかりと手洗いすることを基本とし、住居や食器等の消毒には、アルコール消毒剤か塩素性漂白剤を適切に用いるようにしましょう。