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3月3日は耳の日。加齢性難聴は認知症の原因にも

3月3日は耳の日。加齢性難聴は認知症の原因にも

加齢性難聴で「認知症リスク」が上昇

年々、耳の聞こえが悪くなる「難聴」。年のせいだから仕方がない…とそのまま放置している人も少なくないでしょう。しかし、加齢による「聞こえの悪さ」を放っておくことは、認知症を発症する確率を上げることが、近年の研究報告で明らかになっています。2017年、国際アルツハイマー病協会会議において、加齢性難聴は認知症発症にかかわるリスクが喫煙やうつ、高血圧などよりも高いとされました(先天性難聴や一側性難聴を除く)。難聴と認知機能の低下との詳しい因果関係は明らかになっていませんが、会話がおっくうになり、人とのコミュニケーションを避けるようになることや、耳から入る音の情報が少なくなることから脳が萎縮しやすくなると考えられています。

騒音や不健康な生活習慣が、難聴を発症・悪化させる

加齢性難聴は誰もが直面する老化現象なので、これ自体を避けることはできません。ただ、早めに対策を行うことで進行をある程度抑えることは可能です。

加齢性難聴の一番の原因は、騒音環境です。ライブや工事現場など、大きな音がする場所での長時間の滞在や、イヤホンの音量を大きくすることなどは、鼓膜の奥の器官である蝸牛(かぎゅう)の中に並ぶ細胞の負担になり、聴力の低下を招きます。予防には、騒音のある場所では耳栓をし、音楽を聴く際には適切な音量を心がけましょう。

また、動脈硬化、高血圧、糖尿病などの生活習慣病も、脳や内耳への血流を悪化させて聴力を低下させます。不健康な生活習慣を正すことは、難聴を予防するうえでも大切です。

自分の聞こえは大丈夫? まずは「聞こえのセルフチェック」

普段の会話などではたとえ聞き逃しても、脳が文脈から推測して内容を補足するため、自分の聴力がどれくらい落ちているか気づけない場合が多いものです。下記の「聞こえチェックリスト」の項目に複数チェックがついた場合は、難聴が悪化している可能性がありますので、一度、耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

聞こえチェックリスト

  • 後ろから呼びかけられると気づかないことがある
  • 名前(加藤と佐藤など)の聞き間違いが多い
  • 見えないところからの車の接近に気がつかないことがある
  • 話し声が大きいとよく言われる
  • 集会や会議など、数人の会話がうまく聞き取れない
  • 電子レンジの「チン」という音や体温計の「ピピピ」という電子音が聞こえにくい
  • 家族にテレビの音量が大きいと言われることがよくある
 

難聴の進行をそのままにしておくと、コミュニケーション不足から孤立が進み、認知症の発症リスクが高まります。早めに補聴器を使うことが認知症予防にもつながります。「少し聞こえが悪いだけ」などと軽く考えず、日常生活に支障が出てきたら、補聴器の使用を検討しましょう。

人生100年時代。快適で充実した生活を維持し続けるには、心身の健康とともに、聞こえの問題にも早めの対処が大切です。まずは耳鼻咽喉科で難聴の原因を診断してもらいましょう。