文字サイズ

気づきにくい梅雨の時期の熱中症。暑くなる前から対策を

気づきにくい梅雨の時期の熱中症。暑くなる前から対策を

梅雨の時期こそ熱中症に気をつけて

梅雨の時期は曇りや雨の日が多く、蒸し暑い日が続きます。本格的に暑くなる真夏はもちろんですが、湿度が高い梅雨の時期も熱中症に注意が必要です。

熱中症は、気温や湿度の高い環境下で、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなってしまったために現れるさまざまな症状の総称です。消防庁が発表した2020年度夏期(6月~9月)の熱中症による緊急搬送人数は、実に6万5,000人近くにのぼり、うち100人以上が命を落としています。

人は運動などで体を動かすと、体内で熱が作られて体温が上昇しますが、汗をかくことなどで体温を調節しています。体が暑さに慣れていないこの時期は、体温調節をする体の準備が不十分なため、上手に汗をかくことができずに熱中症になりやすいとされます。梅雨の晴れ間や梅雨明けの急に暑くなったときは、特に注意が必要です。

熱中症予防としては、本格的な夏を迎える前に、早めに暑さに対応できる体にしておくのも大切なポイントの1つです。軽い運動や半身浴で汗腺の働きを高めるようにしましょう。晴れた日は少し遠回りして帰る、いつもより大股で速歩きを意識するなど、ちょっとしたことから始めて、汗をかく機会を増やすようにしてみましょう。

熱中症対策は湿度がポイント。エアコンや衣服で暑さを調節して

汗が蒸発するときの気化熱(液体が蒸発して気体に変わるときに周囲から吸収する熱)が体の熱を奪って、体温を下げる働きをしますが、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体の中に熱がこもりやすくなります。

梅雨の時期は湿度の高い日が多くなるので、気温だけでなく湿度も確認して、エアコンなどで室温と湿度を適切に調節することが大切です。衣服の中や体の表面に風を通すことでも、暑さを和らげることができます。襟元や袖口、裾などから空気が抜けるように、適度にゆとりのある服装がおすすめです。綿や麻など通気性のよい素材や、吸水性や速乾性に優れた素材の衣服を選ぶとよいでしょう。

また、熱中症の危険度を判断する数値に、暑さ指数(WBGT)があります。これは、気温や湿度、輻射熱(ふくしゃねつ:地面や建物、体から出る熱)の要素を取り入れた指標です。環境省と気象庁では、暑さ指数および「熱中症警戒アラート」(関連記事「熱中症から身を守るために『熱中症警戒アラート』を確認しよう」参照)の情報提供を、今年(2021年)も4月28日より開始しています。それらも確認しながら、熱中症対策を心がけましょう。

のどの渇きを感じる前に、こまめな水分補給で熱中症予防

汗の原料は、血液中の水分や塩分であるため、体温調節のために、汗で失った水分や塩分を適切に補給する必要があります。日常生活で摂取する水分のうち、飲料として摂取すべき量(食事に含まれる水分を除く)は1日あたり1.2Lが目安とされています。人は知らず知らずに汗をかいているので、のどの渇きを感じる前に、生活の区切り(起床時、食事・運動・入浴の前後、就寝前など)で水分補給をする習慣をつけましょう。

どのような種類のお酒であってもアルコール飲料は、尿の量を増やし体内の水分を排泄してしまいます。汗で失われた水分は、水や麦茶などで補うようにしましょう。

また、スポーツなどにより大量に汗をかいた場合や熱中症が疑われるときは、水分のほかに塩分も一緒に補給することが重要です。

本格的な夏を迎える前から、暑さに体を慣らし、熱中症対策の基本を押さえましょう。