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たとえ体重が増加しても、禁煙は循環器疾患リスク低減に効果

たとえ体重が増加しても、禁煙は循環器疾患リスク低減に効果

禁煙後に体重が増えても、禁煙のメリットは大きい

禁煙が心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患を予防するために重要であることは、世界中の多くの研究で明らかになっています。一方で、禁煙によって体重が増えてしまうことが懸念されています。肥満や体重の増加は循環器疾患のリスク要因の1つであり、せっかく禁煙してもその効果が相殺されてしまう恐れがありました。

そこで、国立がん研究センターなどの研究グループは、1990年と1993年に全国の9保健所管内に住んでいた45~74歳の男女6万9,910人を調査しました。対象者は、研究開始時と研究開始から5年後の調査で、がんと循環器疾患にかかったことがない人とし、約15年間追跡して、禁煙、体重増加、循環器疾患の関連を調べました。

これによると、喫煙者と比べ、禁煙から5年未満の新規禁煙者、5年以上の長期禁煙者、非喫煙者は、いずれも循環器疾患の発症リスクが低いことがわかりました。なかでも、新規禁煙者を体重の増加別に調べたところ、0.1~5kg増加した人たちでも、循環器疾患の発症リスクが下がっていました。つまり、禁煙後に体重が増加しても循環器疾患の発症リスクが減っていたのです。なお、5.1kg以上増加したグループは人数が少なく、統計学的に有意な関連はみられませんでした。

より若いころから禁煙を始めたほうが発症リスクは低減

このほかに、60歳未満の新規禁煙者は、60歳以上の新規禁煙者よりも、循環器疾患のリスクがより低いことがわかりました。60歳未満の若いころから禁煙を始めたほうが、より大きいメリットが得られるということです。

今回の研究で、禁煙後の体重増加は、禁煙による循環器疾患のリスク低下の効果を弱めることはないことや、年齢が若いと、禁煙と循環器疾患のリスク低下の間により強い関連がみられることが示されました。

体重をコントロールしながら禁煙しよう

たばこを吸うことによる健康への悪影響は、今回調査された心筋梗塞、脳卒中などの循環器疾患だけではなく、がん、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、糖尿病、歯周病など多岐にわたります。これらのリスクを少しでも減らすためにも、喫煙者は今すぐ禁煙しましょう。禁煙による体重増加を気にするのであれば、禁煙とともに運動を習慣づけたり、栄養バランスのよい食事を心がけたりして、体重をコントロールしながら禁煙するとよいでしょう。また、何度禁煙しても失敗してしまうという人は、禁煙外来を受診するという方法もあります。