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男性も接種可能に! HPVワクチン接種について知っておこう

男性も接種可能に! HPVワクチン接種について知っておこう

男性も接種することで、子宮頸がんの効果的な予防につながる期待

子宮頸がんには年間約1万人が罹患し、約2,900人が死亡しており(2019年)、30歳代の若い世代での罹患が増加傾向にあります。若い働き盛りの女性や子育て世代の女性が、子宮頸がんに罹患して、妊娠できなくなったり亡くなったりしている日本の現状は、非常に深刻な問題です。

子宮頸がんの原因になるのはHPV(ヒトパピローマウイルス)です。HPVはありふれたウイルスで、性交渉があれば男女とも誰でも感染する可能性がありますが、予防できるHPVワクチンがあります。HPVワクチンは、現在、小学6年生~高校1年生(16歳になる年度)の女子が定期接種の対象で、公費負担となります。HPVには多くの型がありますが、定期接種に使われているワクチンにより、子宮頸がんの原因の50~70%が防げるとされています。

さらに2020年12月、HPVワクチンは男性(9歳以上)の接種が可能になりました。男性も接種することで女性への感染抑制となり、子宮頸がん予防につながると期待されています。また、HPVは中咽頭がん、肛門がん、陰茎がん、尖圭コンジローマなどの原因となることがわかっており、ワクチン接種は男性自身にとっても、これらの病気の予防につながります。

多様な症状はHPVワクチン特有ではないとの研究結果も

子宮頸がんに対するHPVワクチンは2009年に国に承認され、2013年4月からは定期接種の対象となったものの、接種後の全身の痛みや歩行障害などの報告から、厚生労働省は同年6月に接種の「積極的勧奨」を中止しました。それ以降、接種率はほとんど0%となっていました。

接種後の症状の問題については、国内外で調査研究が積み重ねられ、「HPVワクチンに特有の症状ではない」との結論になりました。病気やワクチン接種への不安や、それをきっかけに生じる一連の痛みや恐怖などを、WHO(世界保健機関)は総称して接種ストレス関連反応と呼んでおり、どのようなワクチンでも起こり得るとしています。

HPVワクチン接種と検診で子宮頸がんの予防につなげよう

その後、厚生労働省の専門部会は2021年11月に、ワクチン接種の「積極的勧奨」の再開を正式に決めたうえで、再開の時期などを検討することとしました。

国がワクチン接種の「積極的勧奨」を中止した8年余りの間に、無料で接種できる年代を過ぎてしまった女性は、約260万人いると分析されています。厚生労働省では、こうした人たちに対して改めて無料で接種できる機会を提供することについても、今後議論が行われる見通しです。

子宮頸がんは、ワクチン接種により防げる可能性のある数少ないがんです。定期接種対象のお子さんのいる家庭では、自治体からの通知をよく読んで、接種を検討しましょう。また、20歳を過ぎたら2年に1回子宮頸がん検診を受け、早期発見につなげることも重要です。